リファー大事!統合失調症はカウンセラーが心理支援で注意深く接したい精神の病気
こんにちは。公認心理師かなてぃです。
リファー大事! 4回目 は『統合失調症』です。
[:目次
1 統合失調症ってどんな病気?
2 統合失調症の急性期
3 統合失調症の回復期
4 カウンセラーが留意すべきこと]
統合失調症ってどんな疾患?
統合失調症は、青年期に好発する原因不明の精神病です。
発症は、遺伝的要因と環境要因の相互作用によると考えられていて、精神の疾患のうちで最も頻度の高い重要な疾患です。
幻覚・妄想など異常体験 病識の欠如などが見られます。
病識というのは、ある疾患を抱えた方が、「自分が病気である」と自覚すること です。 統合失調症の方の場合、病識が欠如するというのが特徴です。生活態度は一風変わっていて、社会的、職業的に、適応しにくさ があります。
情報を適切に選択して実行に移すというような、認知機能の障害も見られるのですが、意識は鮮明ですし、一般的な知能は保たれている場合もあります。
発症年齢は、過半数が20歳前後であり、 次いで16歳から40歳まで、稀に子どもでも発病します。 発病率に男女差はありません。
発生頻度は、 0.7~0.8% で、国別での発生頻度の差はありません。詳しい原因はわかっておらず、 精神科入院患者の 60%を占めるともいわれています。
統合失調症の急性期
急性期は陽性症状が激しいです。幻覚妄想のために、自分のことを卑下したり、理不尽な命令が聞こえたり(例えば飛び降りろとか)、恐ろしいものや情景が見えたり、当の本人は本当に苦しいです。自分や大切な人に危険が迫っているという確信を持ったりすると、統合失調症の方はまわりの人や環境への安心感が持てず、底知れぬ恐怖を感じます。
こういった陽性症状による体験は他者と共有できませんから、患者さんは強い無力感、孤独感を感じるでしょう。
統合失調症の回復期
陽性症状が軽減しても陰性症状によって生活は影響を受けます。生き生きとした感情を失っていたり、何かに取り組む意欲がわかなかったり、人とかかわるのが億劫になります。
こういった陰性症状は、他者との交流を制限してしまい、活動範囲が狭くなってしまうつらい症状です。
認知の障害
物事を全体的に見ることや、融通を利かすことができなくなり、陰性症状とあいまって、周囲から怠け者と誤解されたりすることがあるので、自尊心が傷つきます。
急性期は入院し薬物療法が中心で、緩快して退院しても、怠薬は絶対いけません。退薬するとすぐ症状が悪化して次の入院期間はさらに長引いたりします。家族や近しい人への協力がカギになったりします。
カウンセラーが留意すべきこと
統合失調症の治療は薬物療法がメインです。そして、自我の統制力を強化したトレス耐性を増加させる方面に指導することも重要 になるので、心理的教育も並行してされるケースもあります。
しかし、心理的教育は、病院内に常駐する、専門的な訓練を受けた公認心理師や臨床心理士、カウンセラーが行います。
統合失調症の傾向が見られるクライエントさんが来談された場合、カウンセラーは、診断名を告げたり、 医師の専門領域を侵すようなことは絶対にしないようにしなくてはいけません。
無理にカウンセリン グを行おうとせず、精神科病院・クリニックなど他の専門機関に必ずリファーしましょう。