リファー大事!急性ストレス障害・心的外傷性ストレス障害は心理カウンセラーが心理支援で注意深く接したい精神の病気
自分の限界を知りながら、クライエントさんも自分も幸せにつながるカウンセリングをしたいです。
前回に引き続き、精神医学領域で、カウンセラーの基本の き、
精神の病気を疑ったらリファーすべき疾患の、留意事項をおさえていこうと思います。
[:目次
急性ストレス障害
心的外傷ストレス障(PTSD)]
1.急性ストレス障害
人間は、強い精神的ショックを受けると、感情がマヒして 何が起こったか わからず 混乱状態に陥ってしまいます。
急性ストレス障害は、地震や津波などの自然災害、戦争や監禁、 肉親の 急死、暴行、脅迫など、 非常に強いトラウマ体験のすぐあとに、その記憶が容赦なくよみがえり、日常生活に支障を生じさせます。
トラウマ体験から 4週間以内にはじまり、2日~4週間程度でおさまって、 比較的短期間で 症状はしずまっていきます。
でも、衝撃的な出来事を、自分の頭の中で何度も再体験して しまうので、精神的に大きな負荷がかかります。
精神的な負荷を避けようとして、不安ばかり増大してしまうのも特徴です。
感覚のマヒ、感情反応の欠如、 ものごとが事実ではないという感覚、 自分が自分ではない感覚に おそわれることもあります。
トラウマ体験が、その人にとって強烈であればあるほど、急性スト レス障害になる可能性が高いですが、 個人のものごとのとらえ方、感じ方によってストレスの感じ方が違うので 個人差が生じます。
そのため、全く同じ体験をしても、その体験が "ストレス障害” として現れる人と、現れない人もいたりします。
★カウンセラーが留意すべきこと★
✔ カウンセリングで、クライエントさんが、トラウマ体験をした状況から離れ、抱える苦しみや辛さに共感が得られたなら、 症状は緩和していきます。
なので、トラウマ体験を「話す」ということだけでも症状がさらに緩和されることもあるので、カウンセリングでお役に立てると思います。
✔ 既に 主治医がいる、受診している場合には、 カウンセリングを受けても問題がないか の許可をもらいましょう。
✔ パニック症と同様、 症状が出た時の対応が難しい場合には、リファーを するように心掛けましょう。
2.心的外傷後ストレス障害 (PTSD)
強い心理的ストレスの後、少し時間がたってから6ヵ月以内に、急性ストレス 障害で見られるような特異な症状が出現してくる場合に、 心的外傷後ストレス障害 (PTSD)と診断されます。
この症状の特徴は、その精神的にショックな経験の情景を、 突然、リアルに当時の感情と身体感覚を伴って再体験することです。
その度に苦痛な体験を繰り返 してしまうため、 気分が落ち込み、イライラしたり、怒りっぽくなります。 苦痛から逃れるために、アルコールの乱用などに走りやすくなってしまうこと もあります。
その他には、不安や落ち着きのなさ、 理解力の減退、不眠、頭痛、 食欲減退などの身体症状が、長期間にわたってあります。
また、外傷体験 は、人間の 生きている基盤を 根本的に揺るがす体験なので、無力感や不信感 や怒りなど、様々な感情が入り混じって、混乱してしまう場合があります。
★カウンセラーが留意すべきこと★
✔ PTSDの可能性が考えられるクライエントさん が 来談された場合には、カウンセラーは先ず、医療機関に リファーしましょう。
✔ 医師から、このクライエントさんのカウンセリングを受けること について許可が下りれば、
・守られているという安心感や、安全感を 取り戻してもらえるように関わっていきましょう。
・『あなたは決してひとりぼっちではないです』、『あなたを支えてくれる人はいます』というメッセージを伝えましょう。
✓ 薬物療法中のことも多いです。実力がついてこないときは、迷わずリファーしましょう。
リファー大事2回めは、
急性ストレス障害と心的外傷性ストレス障害の方が来談されたときの留意すべきことを書きました。
読んでくださってありがとうございました、またおこしください。
気分障害・全般性不安症を疑ったら専門の病院にリファーすべし
こんにちは、さちです。公認心理師を取得し、時々心理カウンセリングの副業をしています。
カウンセリングでは、
医者のように病名を診断したり、投薬治療を行ったりしません。
だからクライエントさんを担当したら、
クライエントさんの中に、ひょっとしたら 精神疾患の患者さんがいるかもって、
気をつけることがだいじです。
カウンセリング中に気づいたら、必ず主治医や専門の病院にリファーするってことが
カウンセラーにとって必須です。
『ちゃんと自分の限界を知りつつ、あくまでクライエントさんのメリットにつながるカウンセリングをしたい!』
というわけで、精神医学領域の「リファーすべし」を記事にしていこうと思います。
初回は、気分障害、全般性不安症です
1.気分障害(感情障害)
人は、嬉しいことがあれば気分がよくなる。
逆に、嫌なことがあれ 気分が落ち込む。
気分障害は、自分自身で感情のコントロールができなくなって、普段通りの生活ができなくなってしまい、
感情の抑うつ、 あるいは躁状態への変化が、ある期間持続する状態です。
原因は、遺伝的素質と、環境要因が複合しているようです 。
うつ状態と躁状態を反復する傾向が強く、背景に様々なストレス状況があり影響をうけているとされています。
発病年齢は主に思春期以降で、加齢とともに発症数が増えます。
うつ状態
抑うつ的で、悲観感情がみられます。思考内容は、 自責的で、ときに他罰的。
活動性が低下し、食欲低下・ 体重減少・性欲減退がみられます。
全般的には、朝方には状態が悪く、夕方には改善するなど、症状が 1日の時間帯で変化する場合もあります。
<抑うつエピソード>
抑うつ気分、 興味・ 喜びの喪失、食欲の異常、 睡眠の異常、
焦燥または制止、 易疲労性や気力の減退、 無価値感や罪責感、
思考力や集中力 の減退決断困難、自殺念慮がある など。
躁状態
感情は爽快で、精神的興奮がみられます。思考内容は、楽天的。
活動性の亢進 (高ぶり)がみられ、多弁です。
睡眠時間が極端に短縮し、疲労を感じにくい状態がよくみられます。
”睡眠がうまくとれない” などの症状が あっても、ご本人は「短時間の睡眠 で十分」って解釈しているので、あまり 自覚的な訴え としてはでてきません。
<躁病エピソード>
爽快気分、観念奔逸(次から次へとアイデアが浮かんで、どんどん話がわき道にそれていって、全体としてのまとまりがなくなる)、誇大妄想、意欲と行動の異常がある など。
双極性障害と大うつ病性障害
双極性障害は、躁病エピソードとうつ病エピソードを反復します。
★『気分障害』で カウンセラーが留意すべきこと★
✔ 気分障害は薬物治療が中心なので、無理にカウンセリングを行ってはならない
✔ 気分障害の症状がみられるときは、すぐに病院などの専門機関にリファーする
(クライエントの症状 を深刻化させる可能性があるから)
2 全般性不安症
不安は、漠然とした、原因がはっきりしない対象への恐れで、誰しも感じる 身近な感情です。
現実的な危険とは 無関係に沸き起こる不安とか、
死の恐怖を感じるほどの、精神的負荷 が 大きい不安もあります。
全般性不安症は、不安が原因で引き起こされる症状をいいます。
<身体症状>
胸が苦しくなったり、 胸騒ぎや 動悸 が高まったり、呼吸困難、手足のしびれ、発汗、のぼせ、ふらつき などがみられることがあります。
不安状態がひどくなると、身体が小刻みにふるえてくる、更に不安が高まると、心臓の鼓動が激しくなります。
<不安症状>
何に対しても過度に心配、将来 への不安を抱くなど慢性的に不安状態、胃腸症状や ふるえ、緊張 だけでなく、 睡眠がうまくとれず体調不良を感じます。
いったん不安になると、おろおろ してしまい、仕事が手につかない、最悪の 状態に陥ることばかり考えてしまいます。
「このままでは死ぬかもしれない...」というレベルの恐怖感情に襲われてしまうと、日常生活に支障が出てしまうほどの 心理的負荷がかかってしまいます。
★『全般性不安症』で カウンセラーが留意すべきこと ★
✔ カウンセリングに訪れたクライエントに 全般性不安症の可能性があるときは、
薬物療法が効果的なので専門機関にリファーします。
✔ 病院で全般性不安症の治療中の患者さん(抗不安薬が処方されている場合が多い)が、カウンセリングを受けたいと来談したときは、カウンセリングを受けても良いのかどうか主治医に相談します。
✔ 主治医に相談の結果、実施しない方が良いと判断された場合は、カウンセリングは中断しなくてはなりません。
リファー大事!
気分障害と全般性不安症の方が来談されたときの留意すべきことを書きました。
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💛それでは、また読みに来てくださるとうれしいです💛
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